
第22回WAKO Web受託セミナー これから始めるウイルスベクター実験~AAVベクターの基礎から応用~
概要
富士フイルム和光純薬主催にて、第22回Wako Web受託セミナー これから始めるウイルスベクター実験~AAVベクターの基礎から応用~を開催します。
本セミナーでは、
群馬大学大学院 医学系研究科 脳神経再生医学分野 教授 平井 宏和 様、
神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 特命教授 内田 和久 様、
順天堂大学 大学院医学研究科 脳回路形態学 教授 日置 寛之 様
をお招きし、ウイルスベクター実験に関するトピックスついてご紹介いたします。ぜひご参加ください。
開催概要
スケジュール
14:00
開会・注意事項のご説明
14:00~14:40
1)AAVベクターはここまで来た!~作製法、長所・短所から応用例まで~
《要旨》
近年、難病の脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療薬、ゾルゲンスマが劇的な治療効果を上げるなど、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは基礎研究から臨床応用まで目覚ましい発展を遂げている。本セミナーではAAVのカプシドやゲノムの構造、AAVの細胞への感染から遺伝子発現のメカニズムなど自然界におけるAAVの振る舞いを紹介したのち、増殖力欠損AAVベクターの構造とAAV粒子作製法など基礎的事項を概説する。これに続き、応用編では最近、注目を集める血液脳関門透過型AAVカプシドの性質と課題、我々が開発した細胞種特異的AAVベクターと研究への応用例を紹介する。現在、AAVベクターは難病の遺伝子治療用ベクターとして大きな期待を集めているが、最後にAAVベクターを遺伝子治療ベクターとして用いる場合の現状の問題点について述べる。
14:40~15:00
2)AcceGen社 神経関連プライマリー細胞製品のご紹介
【演者:富士フイルム和光純薬株式会社】
15:00~15:10
3)感染試験施設と遺伝子組み換えウイルスを用いた試験紹介
【演者:ハムリー株式会社】
15:10~15:15
休憩
15:15~15:55
4)遺伝子治療用ウイルスベクターの製造技術と品質管理のトレンド(レギュレーション含む)
【演者:神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 特命教授 内田 和久 様】
《要旨》
ここ数年、海外では遺伝子治療用ウイルスベクターの製造プロセスに関する技術と品質管理のための分析技術の進歩が著しい。特に抗体医薬で培われた開発製造、分析法のノウハウが一気に流れ込んできている一方、ウイルスベクター固有の課題解決も必要となっている。本講演では、AAVウイルスベクターの製造工程の中で、Cell Lysisによるウイルスベクターの回収工程やそれに続く精製工程で留意すべき点や進歩が著しい分析法について整理する。
15:55~16:15
5)遺伝子治療用製品に関するCMCサービスのご紹介~DNA合成・ベクター作製・プロセス開 発・分析サービス~
【演者:株式会社シンプロジェン】
16:15~16:25
6)タンパク質・ウイルス生産用293細胞用完全合成培地『BalanCD HEK293』のご紹介
【演者:富士フイルム和光純薬株式会社】
16:25~16:30
休憩
16:30~16:40
7)電子顕微鏡解析受託サービスについて
【演者:株式会社花市電子顕微鏡技術研究所】
16:40~17:20
8)AAVベクターが切り拓く神経ネットワーク解析の新展開
【演者:順天堂大学 大学院医学研究科 脳回路形態学 教授 日置 寛之 様】
《要旨》
遺伝子工学技術の進展は目覚ましく、脳の構造や機能に関する基礎研究だけでなく、各種神経・精神疾患に関する臨床研究も大きな進展を遂げている。なかでもウイルスベクターは任意のタイミングで目的とする部位に遺伝子導入することができる優れたツールであり、ウイルスベクターに対する需要と期待は年々高まっている。
演者はこれまで、中枢神経系の神経ネットワーク構造解析を目的として様々なウイルスベクターの開発を推進してきた。例えば、レンチウイルスベクターを用いて「新規ハイブリッドプロモーター(Hioki et al., 2007)」「ゴルジ染色様標識を可能にする新規レポータータンパクFGL(Kameda et al., 2008)」「Tet-Off搭載:神経細胞特異的かつ高発現型ベクター(Hiokiet al., 2009)」などを開発してきた。また最近では、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて「神経細胞高発現プラットフォームSynTetOff(Sohn et al., 2017)」「人工生物発光システムAkaBLI(Iwano et al., 2018)」「マイトファジー蛍光センサー(mito-SRAI)搭載ベクター(Katayama et al., 2020)」「混在する2つの神経経路を区別して同時に可視化する蛍光標識法(Okamoto et al., 2021)」「光顕と電顕を繋ぐ遺伝子発現システム(Furuta et al.,2022)」「GPI-anchorを用いた細胞外標識法(Yamauchi et al., unpublished)」など、脳構造・機能解析に資する技術開発に力を注いできた。なお、これらの技術は各種疾患モデル動物への応用も可能であり、形態情報をもとにした各種定量評価(形態スクリーニング)を実現し、病態評価や疾患修飾薬の評価法について新たな選択肢を与えることが期待される。本セミナーでは、AAVベクターを例としてウイルスベクターの基礎から最先端の技術開発までを概説し、ウイルスベクターの秘める可能性について議論したい。
17:20
閉会
お問い合わせ
富士フイルム和光純薬株式会社
試薬化成品事業部 試薬営業本部 バイオソリューション推進部
TEL :03-3270-8247
ご相談・お問合せはこちら E-mail:jutaku2@fujifilm.com
開催日程
- 2022/06/29 14:00 - 06/29 17:20 (200分)
申し込み期間
- 2022/05/12 16:44 - 2022/06/29 17:00
キャンセル期間
- 2022/05/12 16:44 - 2022/06/29 17:00
次回の開催までおまちください。