次世代ゲノム編集技術CRISPR-Cas3: メカニズムと応用
概要
セミナー概要
ゲノムDNAの情報を書き換えることができるゲノム編集技術はCRISPR-Cas9技術の登場により医療や農水産業において大きく発展してきました。しかし、CRISPR-Cas9を取り巻く特許の問題は依然として解決しておらず、産業化につなげる際に大きな障壁となっています。CRISPR-Cas3技術は特許の複雑性が無く、産業化につなげやすい特徴があります。また、配列特異性がCRISPR-Cas9と比較して高いなど様々なメリットがあります。
本セミナーでは、 東京大学医科学研究所 実験動物研究施設 先進動物ゲノム研究分野 准教授 吉見一人
先生をお招きし、日本発のゲノム編集技術である「CRISPR-Cas3」についてご紹介していただきます。
開催概要
日 時: 2025年1月23日(木) 14:00~15:00
開 催 形 式: ウェビナーにて開催
参 加 費: 無料
セミナー題名: 「次世代ゲノム編集技術CRISPR-Cas3: メカニズムと応用」
スケジュール
14:00 開会・注意事項のご説明
14:05ー14:40 「CRISPR-Cas3ゲノム編集技術の社会実装に向けた開発・応用研究」
【演者】:東京大学医科学研究所 実験動物研究施設 先進動物ゲノム研究分野
准教授 吉見一人 先生
<要旨>
ゲノム情報を文字通り書き換えるゲノム編集技術は、ここ10年の間に急速に発展し、様々な生物の遺伝情報を自在に改変できるようになりました。本技術は医療をはじめ、品種改良やバイオ生産の向上など、多くの産業分野で活用が進んでいます。ゲノム編集を行うためのツールが数多く開発される中、私たちは、大腸菌由来のタイプI-E
CRISPR-Cas3を高等生物に応用することで、ゲノム編集技術として利用できることを示してきました。CRISPR-Cas3は、Cas9とは異なりユニークな特徴を有しています。例えば、CRISPR-Cas3の認識配列長は27塩基であり、CRISPR-Cas9の20塩基に比べて長いため、オフターゲットへの影響が少ないと期待されます。ゲノム上の標的部位に大きな欠失変異を誘導でき、確実に遺伝子破壊を誘導できます。こうした点から安全性の高い国産ゲノム編集技術としてex
vivoやin
vivoでの遺伝子治療への応用が期待されます。最近では、CRISPR-Cas3をマウスやラットの胚に適用し、簡単で迅速、かつ精度の高い遺伝子改変を実現しており、様々な生物種への利用が期待されます。加えて、標的配列を認識した際に生じる非特異的一本鎖DNA切断活性を利用することで、微量核酸を簡便に検出するCRISPR診断への応用も可能であり、実際にウイルス検出、遺伝子診断への応用を進めています。本ウェビナーでは、CRISPR-Cas3がどのようにしてゲノム編集を行うのか、どういった生物で利用できるのか、どういった形で社会実装が可能か、などについて具体的な例を交えつつ、国産ゲノム編集技術の最前線を紹介します。
14:40-14:50 「CRISPR-Cas3 製品・サービスのご紹介」
【演者】:株式会社ニッポンジーン
<要旨> ㈱ニッポンジーンではCRISPR-Cas3ゲノム編集を行うための製品を提供しています。CRISPR-Cas3におけるgRNAの役割を持つCascade-crRNA複合体の作成からCRISPR-Cas3の実験系の立ち上げにご使用いただける製品をご紹介します。
14:50ー15:00 閉会のご挨拶
【富士フイルム和光純薬株式会社】
15:00 閉会
開催日程
- 2025/01/23 14:00 - 01/23 15:00 (60分)
申し込み期間
- 2024/11/19 12:54 - 2025/01/23 15:00
キャンセル期間
- 2024/11/19 12:54 - 2025/01/23 15:00